昭和シェル石油の企業研究

今回ご紹介するのは、石油事業とエネルギーソリューション事業を柱としてエネルギーを安全かつ安定的に供給する「エネルギー・ソリューションプロバイダー」で有名な、昭和シェル石油。

この記事を読んでいる方の中には、昭和シェル石油への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、昭和シェル石油の経営理念や同じ石油業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある石油会社の中で、なぜ昭和シェル石油なのか？」という質問への対策を考えましょう。

昭和シェル石油について深く知るために、まずは昭和シェル石油の経営理念を確認しましょう。そこから昭和シェル石油が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

昭和シェル石油グループの経営理念は、以下の通り。
私たちのエネルギーで未来を元気にします
（昭和シェル石油　グループ経営理念ページより引用）

さらに、同グループが大切にしてきたことで、今後も引き継いでいきたい価値観を「5つの企業活動規範」として「社会的使命」「顧客志向」「先進性」「活力」「持続的成長」を表しています。
ここから分かるポイントは、基幹エネルギーである石油の可能性を最大化しながら、社会のニーズに合ったエネルギー源を提供し、安定的なエネルギー供給を通じて、社会から選ばれる「グローバル・エネルギーソリューション・プロバイダー」になろうという志です。
そのため、昭和シェル石油では、人材ビジョンとして「自律考動」「外向き志向」「チーム意識」の3つのキーワードを掲げています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・昭和シェル石油を通して成し遂げたい、社会貢献への思い
・「グローバル・エネルギーソリューション・プロバイダー」として活躍するために活かせる、あなたの個性や経験
・自ら社会の課題を見出し、主体的に行動し、新たな領域を切り拓いた経験
・リーダーシップを発揮して、仲間と切磋琢磨しながら、チームで何かを成し遂げた経験


次に、石油業界における昭和シェル石油と競合会社と比較してみましょう。
今回は、売上高の規模が近い、東燃ゼネラル石油と比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。
はじめに事業内容を見ていきましょう。
昭和シェル石油グループは、「石油事業」と「エネルギーソリューション事業」という2つの柱で事業を展開しています。
石油事業では、大株主のシェルグループやサウジアラムコとの連携で、世界中から輸入した原油を国内のグループ製油所で精製し、全国約3,200ヶ所のサービスステーションを通じて、ガソリンなどの石油製品を販売。また、産業用燃料や液化石油ガス（LPG）、化成品、潤滑油、アスファルトなどを販売する他、石油製品の輸出も行っています。
一方、エネルギーソリューション事業では太陽電池事業として、次世代型CIS薄膜太陽電池の技術開発やパネルの生産を行い、日本をはじめ欧州、米国、中東、アジア等、世界各地で販売。また、太陽光発電所の建設から運営、さらに最終的に事業者や投資家向けに売却するなど、太陽光発電所の開発に関係する幅広いサービスの提供を行っています。
さらに電力事業では、製油所と連携した発電所「ジェネックス水江発電所」、バイオマスを燃料とする「京浜バイオマス発電所」や、東京ガス株式会社との合弁事業として天然ガス火力発電所「扇島パワーステーション」などを運営しています。
現在、同グループが掲げる中期経営アクションプランでは、石油事業で「国内最高の収益体質となる」こと、 太陽電池事業では「グローバルリーダーとなる」こと、そして電力事業においては「事業規模の拡大と発電源メニューの多様化」を目指すなど、果敢に挑戦する姿勢が伺えます。

対する東燃ゼネラル石油はエクソンモービル系の石油精製元売り大手。中東を中心に、ロシア、西アフリカ、南アメリカ、東南アジアなど世界中から原油・半製品を輸入し、国内の4つの製油所で各種石油・石油化学製品を生産販売しています。
石油製品は「エッソ」「モービル」「ゼネラル」の3ブランドで提供。また、同グループが推進するセルフSS「エクスプレス」は1,100店舗を、セブン‐イレブンとの複合店は120店舗を超える展開を見せています。
その一方で輸出にも力を入れており、オーストラリアの輸入石油製品の1割以上は当グループから供給。原油調達、精製・生産、販売に至るまでの最適化プロセスを得意としています。
また、同グループは、石油精製プラントと石油化学プラントを一体運営しているところに特徴があり、そのシナジーを活かして競争力ある基礎化学製品を国内・海外へ安定供給しています。
次に、財務状況を見ていきましょう。
平成27年12月期の売上高は、昭和シェル石油が連結 2兆1,776億2,500万円のところ、 東燃ゼネラル石油は連結2兆6,278億5,000万円で、ほぼ互角の結果となっています。
当会計年度における昭和シェル石油は、石油事業・エネルギーソリューション事業ともに厳しい事業環境下にありましたが、一定レベルの結果を残し、今後につながる戦略活動が展開できたと総括しています。
また、平成25年から平成29年までの5年間に及ぶ中期経営アクションプランは、出光興産との経営統合を視野に、当初よりも1年前倒しで達成すべく取り組みを強化しており、計画通り順調に進んでいるとのことです。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
現在、日本の石油元売りには5つの企業グループがあります。売上高で大きくシェアを占めるのがENEOSブランドのJXホールディングスで、日本石油や三菱石油、JOMOなどが統合したもの。その次に出光興産、東燃ゼネラル石油、コスモ石油、そして昭和シェル石油でシェアが争われれています。
このような状況の中、JXホールディングスと東燃ゼネラル、そして出光興産と昭和シェル石油がそれぞれ平成29年4月統合に向けた話し合いが進んでいます。 それぞれ売上高14兆円と8兆円という大規模な統合になるため、日本のエネルギー業界はとても重要な転換点を迎えていると言えるでしょう。双方が攻めに転じるためのM&Aになるため、産業が強化されると見られており、注目すべき再編となりそうです。

��こまで昭和シェル石油についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 �